野球が上手くなるためには、投げる・打つ・走るといった技術練習だけでなく、体を安定させる「体幹」を鍛えることも大切です。
特に小学生は、これから体が大きく成長していく時期です。そのため、大人向けのような高負荷の筋力トレーニングを行うのではなく、自分の体重を使った軽い運動を中心に、正しい姿勢やバランス感覚を身につけることが重要です。
この記事では、野球をしている小学生におすすめの体幹トレーニングを紹介します。
「子どもの体幹を鍛えたい」
「野球の動きを安定させたい」
「自宅でできる簡単なトレーニングを知りたい」
という方は、ぜひ参考にしてください。
小学生の野球に体幹トレーニングがおすすめな理由
体幹とは、簡単にいうと頭や腕、脚を除いた胴体部分を中心とした体の土台です。
野球では、体幹を安定させながら全身を連動させることが重要になります。
例えば、ピッチングでは下半身から生まれた力を体幹を通して腕へ伝えます。
バッティングでも、下半身で作った力を体幹を使ってバットへ伝えることが大切です。
体幹が安定すると、
- 投球フォームが安定しやすい
- バッティングで体がブレにくくなる
- 走るときの姿勢を保ちやすくなる
- バランス能力の向上につながる
- 全身を連動させた動きを身につけやすい
といったメリットが期待できます。
ただし、小学生の場合は「筋肉を大きくすること」を目的にする必要はありません。
正しい姿勢で体を動かす能力を身につけることを重視しましょう。
小学生の体幹トレーニングで大切なポイント
小学生の体幹トレーニングでは、負荷を上げれば良いというわけではありません。
成長期の子どもには、次のポイントを意識することが大切です。
① 自分の体重を利用する
まずは器具や重いダンベルなどを使わず、自分の体重を利用したトレーニングがおすすめです。
例えば、
- プランク
- サイドプランク
- バードドッグ
- デッドバグ
- 片足立ち
などです。
「重いものを持つ」「限界まで追い込む」といったトレーニングよりも、正しい姿勢で丁寧に行うことを優先しましょう。
② 短時間で無理なく行う
小学生の場合、長時間の体幹トレーニングを行う必要はありません。
1回10~15分程度から始め、子どもの疲労度を見ながら調整しましょう。
毎日必ず行う必要もありません。
野球の練習や学校生活で疲れている場合は、休むことも大切です。
③ 「回数」より「フォーム」を重視する
例えばプランクを30秒間続けられたとしても、腰が反っていたり、体が大きく曲がっていたりすれば正しいトレーニングとはいえません。
小学生の場合は、
「何秒できたか」より「正しい姿勢でできたか」
を重視しましょう。
野球をする小学生におすすめの体幹トレーニング7選
ここからは、自宅でも取り組みやすい体幹トレーニングを紹介します。
無理に全部行う必要はありません。
最初は2~3種目から始めてみましょう。
① プランク
体幹トレーニングの代表的な種目です。
やり方
- うつ伏せになる
- 肘と前腕を床につける
- 膝を伸ばして体を持ち上げる
- 頭から背中、腰、脚までをできるだけ一直線にする
- 無理のない時間キープする
小学生の場合、最初は10~20秒程度でも十分です。
慣れてきたら少しずつ時間を伸ばします。
腰が反ってしまう場合は、時間を短くしましょう。
ポイント
「長時間耐える」ことが目的ではありません。
正しい姿勢を維持できる範囲で行いましょう。
② サイドプランク
体の横側を支える力を養うトレーニングです。
野球では、投げる・打つなど体をひねる動作が多いため、体の左右を安定させることも重要です。
やり方
- 横向きになる
- 肘を肩の下につく
- 膝を曲げた状態から体を持ち上げる
- 頭から膝までを一直線にする
- 無理のない時間キープする
最初は左右10~15秒程度から始めても十分です。
難しい場合は、膝を床につけた状態で行いましょう。
③ バードドッグ
バードドッグは、四つ這いになって手足を伸ばすトレーニングです。
バランスを取りながら体を安定させるため、小学生にも取り入れやすい種目です。
やり方
- 四つ這いになる
- 右手と左脚をゆっくり伸ばす
- 体が傾かないようにキープする
- ゆっくり元に戻す
- 左手と右脚でも行う
左右それぞれ5~10回程度を目安にします。
ポイント
手足を高く上げる必要はありません。
「体を動かさず、バランスを保つ」ことを意識しましょう。
④ デッドバグ
仰向けになって手足を動かすトレーニングです。
見た目は簡単ですが、体を安定させながら手足を動かす必要があります。
やり方
- 仰向けになる
- 両手を上に伸ばす
- 膝を曲げて脚を持ち上げる
- 右手と左脚をゆっくり伸ばす
- 元に戻す
- 反対側も行う
左右5~10回程度を目安にしましょう。
腰が大きく反ってしまう場合は、動きを小さくしてください。
⑤ 片足立ち
特別な器具を必要としない、とても簡単なトレーニングです。
野球では投球や打撃、走塁など、片足で体を支える場面が多くあります。
やり方
- 両足で立つ
- 片足をゆっくり上げる
- バランスを保つ
- 10~20秒程度キープ
- 反対側も行う
慣れてきたら、
- 腕を動かす
- 少し目線を変える
- 柔らかいマットの上で行う
など、少しずつ難易度を上げてもいいでしょう。
ただし、転倒する可能性がある環境では行わないようにしてください。
⑥ ヒップリフト
仰向けになり、お尻を持ち上げる運動です。
体幹だけでなく、お尻や股関節周辺も使います。
やり方
- 仰向けになる
- 膝を曲げる
- 足を床につける
- お尻をゆっくり持ち上げる
- ゆっくり下ろす
10回程度から始めましょう。
勢いをつけず、ゆっくり行うことがポイントです。
⑦ クマ歩き
小学生なら、遊びの感覚で取り組めるトレーニングもおすすめです。
四つ這いに近い姿勢で膝を浮かせて歩く「クマ歩き」は、体幹だけでなく全身を使います。
やり方
- 四つ這いになる
- 膝を少し浮かせる
- 手と足を使って前に進む
- 5~10m程度進む
- 休憩する
トレーニングというより「遊び」に近い感覚で行えるため、運動が苦手な子にも取り入れやすいでしょう。
野球におすすめ!10分程度の体幹メニュー
「何を組み合わせればいいのかわからない」という場合は、次のような簡単なメニューから始めてみましょう。
初心者向けメニュー
| 種目 | 目安 |
|---|---|
| 片足立ち | 左右10~20秒 |
| バードドッグ | 左右5回 |
| ヒップリフト | 10回 |
| プランク | 10~20秒 |
| クマ歩き | 5~10m×2回 |
全部行っても10分程度を目安にできます。
ただし、子どもが疲れている場合は無理に全部行う必要はありません。
例えば、
月・水・金:体幹トレーニング
火・木:野球の技術練習
土・日:野球の練習または休養
というように、練習量を調整する方法もあります。
小学生の体幹トレーニングで避けたいこと
体幹トレーニングは正しく行えば運動能力向上に役立ちますが、やり方には注意が必要です。
無理に高負荷にしない
「もっと強くなってほしい」と考えて、重いダンベルやウェイトを使ったトレーニングをさせる必要はありません。
小学生では、まず自分の体を正しくコントロールする能力を身につけることを優先しましょう。
限界まで追い込まない
「あと10秒!」
「もっとできる!」
と無理に続けさせるのは避けましょう。
フォームが崩れたら、その時点で終了して構いません。
痛みを我慢させない
筋肉の疲労感と、関節や骨などの痛みは別物です。
運動中に痛みが出た場合は、トレーニングを中止してください。
痛みが続く場合や強い痛みがある場合は、医療機関や専門家に相談しましょう。
「筋トレをすると身長が伸びない」は本当?
小学生の保護者が気になるポイントの一つが、
「筋トレをすると身長が伸びなくなるのでは?」
という疑問です。
一般的に、適切な方法・負荷・指導のもとで行う子どもの筋力トレーニングが、成長を妨げるとは考えられていません。
一方で、成長期の子どもに大人と同じような高重量トレーニングを無理に行わせる必要もありません。
重要なのは、
- 正しいフォーム
- 適切な負荷
- 十分な休養
- バランスの良い食事
- 睡眠
です。
特に成長期は、野球の練習だけでなく学校生活もあります。
「毎日トレーニングしなければ上手くならない」と考えるのではなく、練習・食事・睡眠・休養のバランスを大切にしましょう。
体幹トレーニングだけで野球が上手くなるわけではない
体幹トレーニングは野球の動きを支えるための一つの方法です。
体幹を鍛えたからといって、すぐに球速が上がったり、ホームランが打てたりするわけではありません。
野球が上達するためには、
- キャッチボール
- 投球練習
- バッティング
- 走塁
- 守備練習
- 柔軟性
- バランス能力
- 体力づくり
などを総合的に行うことが大切です。
体幹トレーニングは、その土台を作るための補助的なトレーニングとして考えるとよいでしょう。
小学生の野球では「楽しく続ける」ことが一番大切
小学生のトレーニングでは、結果を急ぎすぎないことも大切です。
「毎日30分体幹トレーニング!」
と決めても、子どもが嫌になってしまえば長続きしません。
最初は5~10分程度でも構いません。
親子で一緒に行ったり、タイムを競ったり、クマ歩きなど遊びの要素を取り入れたりするのもおすすめです。
特に小学生は、楽しみながら体を動かすことで運動習慣を身につけることが重要です。
まとめ|小学生の体幹トレーニングは「無理なく」がポイント
野球をする小学生にとって、体幹は投げる・打つ・走るといった動きを支える大切な土台です。
ただし、成長期の子どもに必要なのは、重い重量を使った高負荷トレーニングではありません。
まずは、
- プランク
- サイドプランク
- バードドッグ
- デッドバグ
- 片足立ち
- ヒップリフト
- クマ歩き
など、自分の体重を使った簡単な運動から始めてみましょう。
そして、
「重さ」より「正しいフォーム」
「長時間」より「無理なく継続」
「追い込む」より「楽しく動く」
ことを意識するのがおすすめです。
また、成長期は個人差が大きいため、子どもの年齢や体力、野球の練習量に合わせてトレーニング内容を調整してください。
体幹トレーニングを野球の技術練習や十分な睡眠、食事、休養と組み合わせて、長く野球を楽しめる体づくりを目指しましょ
